便利さの裏側には…

JR西日本脱線事故をきっかけに、効率優先の企業運営に対する批判の声が一気に盛り上がりました。でもJRだけが特別だったわけではなく、日本社会全体が、1分1秒を惜しみ、遅れを許さぬ風潮になっている、と感じた人も多いと思います。

 朝日新聞の夕刊で、「1分半」という連載がある(6/6〜)。遅刻を取り締まるために締めた校門に挟まれて亡くなった兵庫県の高校生の生死を分けた時間が「1分半」でした。いつもより電車が「1分半」遅れたために、彼女は永遠に帰らぬ人となってしまいました…。
 そして、件のJR宝塚線で運転手が取り戻そうとした時間も「1分半」。

時間を正確に守ることは、効率を上げるし信用を高めることは間違いありません。けれど、犠牲にしているもののなんと大きいことでしょうか。

僕たちの周りはとても便利になりました。でも、その便利さの裏側にどれほどの犠牲があるのか、すでに僕の想像の域を超えているようです。
それでも、僕たちはそこから目を背けずに向き合っていかなくてはならないのです。少なくとも、僕はそう思います。