本のはなし

母は読書家です。内容はすぐに忘れちゃうそうですが。
その影響?もあって、僕も子どもの頃からよく本を読んでいました。
今も、読書の趣味が割と合うので、貸し借りしたりすることもあります。


母の棚の中に、河合隼雄「子どもの本を読む」という本があります。
数年前、母に勧められてそれを読んでびっくり。
そこに取り上げられている本のほとんどは、僕が小学生のうちに読んだことのある物語ばかりでした。
そう、知らず知らずのうちに、まんまと母親の作戦にはまっていたワケです。


それはそうと、僕には、物事をその額面通り受け取ってしまうという癖があります。
よく言えば素直、悪く言えば単純?
なので、物語を読むときも、そこに書いてあることが全てだと思っていました。
でも、ようやく最近になって、そうじゃないことも分かってきました。


有名な『モモ』の中に、主人公モモの持っている不思議な力について書かれている部分があります。
モモはとても聞き上手で、彼女に話を聞いてもらうと、彼女は何もしゃべらないのに、悩みや疑問が解決してしまうというのです。
子ども心に、「なんて不思議な力なんだろう」と思ったものです。
でも今は、それが“超能力”のような不可思議な力ではない、ということが分かります。
もちろん、それはすごい能力だけれども、それでも現実にありえる力だと。


僕も少しは成長してるということでしょうか。そういうことにしておきます。