たりない

バスケットには、ポイントガード(PG)というポジションがあります。いわゆる“司令塔”というやつ。
チームの良し悪しを大きく左右する、超重要なポジションです。


単純な役割としては、ボールを運ぶこと、攻撃の起点となることなんですが、
もう一つ、「ゲームを作る」という大事なお仕事があります。
言葉にしてしまうとなんかあっけないんですが、これがすごく難しい。


自分のチームメイトには色んなプレイヤーがいます。それぞれ、身体能力や得意なプレーなどの特性を持っています。また、相手チームのメンバー、試合の流れ、残り時間など様々な要素が刻一刻と変化していく中で、自分を含めた5人のメンバーをどのように動かして、ボールを進め、得点を重ねていくのか、それをイメージし実現していくのが、この「ゲームを作る」という役割なのです。
もちろん、ドリブルやパスが下手では話になりませんが。
そういう技術だけじゃなくて、思考能力というか、イメージする力というか、センスというか、それが求められる難しいポジションです。
優れたPGがいるチームのプレーには、はっきりとした“ねらい”が感じられます。その能力が高いほど、臨機応変に目的を設定し、やりたいプレーをイメージしていけるのです。



僕は大学に入って、「他にいないから」という理由で2年からポイントガードをすることになりました。
最初は、むしろ試合を引っ掻き回して、先輩たちの足を引っ張ってばかりでしたが、まぁ、それでも試合には出るしかなく、経験を積んでいくうちに、それなりにこなせるようになっていきました。


でも、やっぱり、できる人には敵わないなぁと感じます。
対戦したチームのプレイヤーや、自分のチームメイトでも、自分もやっている分、その違いを強く感じてしまいます。
なんか、“見えてるものが違う感じ”なのです。


恐らく、コーディネーターとしての特性が、大きく左右するんだろうなぁと感じます。
組織を動かす立場に、僕も何度か立つことがありましたが、その度に悩んだりぶつかったりして、やっとのことで乗り切る感じでした。“動かされる方が楽”“与えられたものをしっかりとこなすことの方が得意”という自分の現在の特性も思い知りました。


でも、コーディネートの能力、身に付けたいです。経験や訓練によって、少なからず涵養されるものだと信じたいです。
バスケットで今から一流にとは願いませんが。



久しぶりにバスケットをしながら、そんなことを考えました。