悲喜交々な産婦人科のひび

新年になってもう3週間。


2か月予定の産婦人科も残すところあと少し。
中期(26週前後)の胎児エコーはやらせてもらえるようになり、患者さんと「ここが心臓です」とか「ここにお鼻があるの分かりますか?」とか話しているのが楽しい感じ。『先生、性別は分かります?』と聞かれると途端に歯切れが悪くなりますが。
ウチの産婦人科は、常勤の先生が一人体制なので、指導の時間はほとんどなく“盗んで覚える”世界。
それでも、病棟回診にエコーに、任せてもらえる(というか、体制的に、自分がやるしかない面もある)ことが増えていくのは嬉しい限り。


産婦人科に来て得たもの。
お産が身近に感じられるようになった気がします。妊婦さんの大変さ、出産の喜び。
でも、同時にリスクがあるということも。流産や死産の悲しみ、中絶の苦しみ…。言葉で表そうとするほど陳腐になってしまうけれど。
不妊治療をされている方が想像以上に多いという事実にも直面しました。
一般的な産科・婦人科の診察、健診に加え、不妊治療や産み分け相談まで手広くやっているここだからこその感慨かもしれませんが。


看護師さんや助産師さんには、なんとか気に入られたみたいで、「来月も(産婦人科研修を延長して)いて下さい」と言ってもらえるようになりました。が、それは、常勤一人の穴を埋めるためという意味合いも多分に含まれていることも分かっていて、嬉しいけれども複雑な気分も。
そして、その思いにどこまで応えるか(もしくは応えないか)がさらに悩ましいところです。先生の大変さも分かっているし、心境的には手伝ってあげたいと思うけれど、自分自身の研鑽のこと、そしてそれが病院の将来にどう影響するかも考えると、安易な対症療法にしかならないその案に乗るべきでないのかも、と悩んでしまうのでした…。


なんだかんだ言っても、産婦人科は楽しい。それって、自分にとってどんな意味があるのだろう?
それが逆に悩みのタネにもなっている気がします。
う〜ん、よくわからん。