かい

月曜は当直明け、夏休みのDr.の代診をこなしたあとの午後の往診は、臨時の飛び入りあり、複雑な環境の方ありで、普段よりも2時間近く押しながらの展開となりました。
目の見えない90代の患者さんのお宅に1ヶ月に1回伺っています。視覚なしでもご飯やトイレは起きて自分で歩いてしている気丈な方ですが、最近は「もう死んでもいいんだけどね…」と後ろ向きな言葉が漏れてきて気になっていました。そのため毎回、意識的に時間を割いてお話を聞くように心がけていたんですが、押し気味の今回は多く話を聞くことができず、本人の体調もまずまずであることをいいことに、そそくさと退散してしまいました。なんでも、往診の当日は、朝から「今日は(医者が来るから)やだねぇ」と漏らしていたとご家族から伺い、なんだか暗い気分になってお宅をあとにしましたが、帰りの車の中で、同行している看護師さんがポロっと「○○さんは、本当に先生に会えるのを楽しみにしてるんですね。ずっと見てるから分かります」と言ってくれたことには、涙が出そうなほど嬉しく思いました。
別に、そのためにこの仕事をしているわけではない、感謝されるためにしているわけではないですが、それでも、こういう瞬間には「あぁ、この仕事を選んでよかったなぁ」と思うのです。